阿弥陀岳中央稜は私が登山道場としている場所で、よく行くところだ。
しかし最近よく阿弥陀岳を舞台にした遭難のニュースを耳にする。
昨年か一昨年に学習院大の山岳部の遭難があったが、今年は阿弥陀岳南稜でガイドを含む３人の雪崩遭難があった。
何度も行っているところでも油断は大敵だ。
今回はいつもよりも朝早く出発することができたので、舟山十字路に10時15分頃到着した。
ここまでの林道にはもう雪は無かった。
10時40分出発。
広川原沢沿いの登山道はアイスバーンになっているところが多かったが、アイゼンなしで登って行った。
尾根へ取り付くところでアイゼンを付けた。
わかんを持参したがこの先も要らないと判断し、私の好きな2100メートルの台地にわかんをデポした。
今回はなんとか下部岩壁帯の上まで行きたいと思っていた。
体は重かったが17時頃までに下部岩壁帯の上にたどり着いた。
ここは少し平坦な部分があり、森林限界ギリギリのところで、風もよけられる幕営適地だ。
標高は2500メートルくらいのところだ。
以前から一度幕営してみたいと思っていた。大きいテントは無理だと思うが、 ツエルトは張り易いと思う。
夕食はまた野菜入りラーメンにした。ネギ、人参、ごぼう、ゆで卵入りだ。
宵のうちは街の明かりがみえていたが、夜半からガスにおおわれ、何も見えなくなった
風はなく、静かだった。

４月３日（日）　　朝５時頃起床
朝食用にパンを買ってくるつもりが忘れていたので、インスタント味噌汁と煎餅を食べただけだ。
天気は晴れていた。アイゼンを付け、行動食と水、防寒具だけザックに入れ、ピッケルを２本持って出発した。
6:50頃だった。
上部岩壁帯を迂回する部分に急なところがあるが、何度もとおっているところなので登りには不安がなかった。
頂上に近づくにつれ雲行きが怪しくなってきたが、危険な程の悪化はなかった。
頂上には８時半ころ到着した。視界はあまり良くなく、赤岳は見えなかった。
北稜から登ってきた人が３人いた。
天気がさらに崩れるといけないので、頂上にはあまりのんびりせずに下山を開始した。
傾斜が急な部分は後ろ向きで、２本のピッケルを利用して降りた。

テントに戻って、下着のタイツや長袖シャツを脱いだ。
天気の大きな崩れはなかった。
12時過ぎに舟山十字路に戻った。